会社員が副業でライドシェアをやることは可能? | ぎじゅかつ!

会社員が副業でライドシェアをやることは可能?

社会

日本版ライドシェア開始まで間もなくというところまで来ましたが、このライドシェアは副業としてやっていけるのでしょうか?
今回は雇用契約というキーワードで考えていきます。

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日本版ライドシェアについて

日本版ライドシェアの特徴は、タクシー事業者が管理するという点です。
タクシードライバーではないドライバーが一般の自家用車を使用して旅客運送運転をするのがライドシェアですが、日本の場合はタクシー事業者が主体となり、タクシー事業者がドライバーと車両を管理します。
詳しくはこちらの記事で解説しています。

そして2月7日に出たこちらのニュース。

こちらに気になる一文が…

ドライバーとタクシー会社の労働関係については、雇用契約を結ぶ以外は認めない方向

というわけで、ライドシェアのドライバーはタクシー事業者と雇用契約を結んでライドシェア営業をすることになりそうです。
この雇用契約というキーワードは非常に重要です。

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よくある副業

副業には以下のタイプがあります。

  • 業務委託を受ける(請負・委任・準委任契約により行うもの)
  • 雇用される(他の会社等に雇用されるもの)
  • 事業主になる

会社員が会社勤めをメインとしてその空き時間に副業を行うケースでは、この中では業務委託事業主として仕事をすることが多いと思われます。
理由は、雇用されるタイプの副業が難しいからです。
この”雇用される”とは、正社員やアルバイトとして働くということです。

雇用されるタイプの副業が難しい理由

会社員が雇用されるタイプの副業をする、すなわち2つ以上の会社と雇用契約を結んで働く場合、それぞれの会社での労働時間を調整してそれぞれの会社に知らせる必要があります。

労働基準法では過労防止や安全衛生の観点から会社が従業員の労働時間を管理することが求められていますが、複数の会社で仕事をする場合も会社はそれを管理する必要があります。
同法38条では「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。」となっています。
また残業時間の扱いも通常とは異なる部分があるため、会社に黙ってこのタイプの副業をして会社が管理できない労働時間が生じた場合は、会社が法律違反状態になるかもしれません。そうならないために、このタイプの副業をする場合は会社に対して事前に労働時間に関する相談をする必要がありますが、そもそもこの雇用契約タイプの副業を禁止している会社も多いです。

業務委託&事業主

業務委託のタイプの副業事業主として行う副業雇用契約はないため、上記のような労働基準法に関する心配は少ないです。副業を解禁している会社も、これらのタイプの副業はOKとしている場合が多いかと思います。
法的・就業規則的な心配は少ないとしても、過重労働にならないように自己管理をすることはもちろん、会社に副業の相談や届け出をすることが望ましいです。

会社の就業規則を確認しよう

いずれのタイプの副業も、本業とする会社の就業規則を確認し、必要に応じて会社と相談する必要があります。
参考までに、厚生労働省が公開しているモデル就業規則を見てみましょう。

記事作成時点でアクセスできる令和5年7月版で見ていきます。

(副業・兼業)
第70条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、企業の利益を害する場合

モデル就業規則 (令和5年7月)

このように、副業自体は認められていますが、禁止や制限がされるものもあります。
就業規則の内容は会社に依りますので副業自体が禁止の会社もあるかと思いますが、日本全体で見ると副業が解禁されている会社は増えてきているのではないかと思います。

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ライドシェアは”雇用契約”のタイプ

冒頭の話に戻りますが、日本版ライドシェアにおいてドライバーはタクシー事業者と雇用契約を結びます。つまり簡単に言うと、タクシー事業者のアルバイトのような立場で働くということになります。

この雇用契約タイプの副業は前述の通り労働時間の扱いが通常と異なる場合があり、会社によっては副業自体はOKでも雇用契約を伴う副業は禁止しているという場合があります。
禁止の場合、”ドライバーとタクシー会社の労働関係については、雇用契約を結ぶ以外は認めない方向”という方針が変わらない限り、会社の就業規則上禁止されている副業ということになります。
会社勤めの人が副業としてライドシェアのドライバーになるには、まずこの点を確認しなければいけません。
またOKの場合でも、ライドシェアのドライバーとしてどれくらい働くのかを会社に知らせる必要があります。

  • 就業規則で雇用契約による副業が許可されているか要確認
  • ライドシェアのドライバーとして働く時間を上司や人事に相談
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まとめ

ドライバーとタクシー会社の労働関係については、雇用契約を結ぶ以外は認めない方向

という方針の下では、会社員が副業としてドライバーになることは難しいかもしれません。
また、日本版ライドシェアは地域や時期や時間で営業時間が限定されるという特徴があり、この時点で誰でもできる副業ではなさそうです。

フルタイムで働く会社員が気軽にできる副業ではない、ということは副業に興味がある会社員にとっては残念なことかもしれません。
一方でライドシェアの利用者にとっては、会社の仕事でヘトヘトになったドライバーに乗せられる心配はないということになりますので、これはこれで安全配慮ということになるのではないでしょうか。

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