クレジットカードの三井住友カードといえばVISAだと思いますが、そのイメージを覆したいと思いプライムゴールドカードをMastercardブランドで作ったのが今から5年前。さらにそこからしばらく経ってゴールドNL(ナンバーレス)カードが登場し、プライムゴールドをMastercardのままゴールドNLに切り替えて3年ほど使用しました。
結局、それMastercardで作った意味あった?
ということで、三井住友マスターカードがどんな場面で役に立ったのかを解説していきます。
三井住友カードはVISAとMastercardのどちらを発行するか?
- すでに持っている他のカードの国際ブランドで決める
- スマホのタッチ決済対応状況で決める(AndroidならVISA、iPhoneならどちらでも可)
- コストコで使いたいならMastercard
三井住友カードはVISAとMastercardが選べる
三井住友カードNL、三井住友カードゴールドNL、三井住友カードプラチナといった標準的なカードは、発行時にVISAとMastercardの2つから選択することができます。いずれも年会費といった基本性能は変わりません。
なお、三井住友フィナンシャルグループが力を入れているOliveフレキシブルペイカードはVISAのみです。Mastercardはありません。
国際ブランドが違う
VISAとMastercardはそれぞれ異なる国際ブランドです。VISAのカードはVISAの加盟店で使用でき、MastercardのカードはMastercardの加盟店で使用できます。日本国内においてはVISAとMastercardはだいたいセットになっており、クレジットカード対応のお店であればこの2つの両方が使用できる場合がほとんどです。一方で海外では、VISA比率が大きい国やMastercard比率が大きい国がある場合があり、Mastercardはヨーロッパで強いとも言われています。
この点に関してVISAとMastercardはいずれも高いシェアを誇っていますので、どちらが優れているかを決めるのは難しいです。すでに他社も含めてVISAのカードを持っているという場合は、三井住友カードをMastercardで作るというのはありだと思います。
デザインが違う
国際ブランドが違うとカード券面のロゴも当然変わります。三井住友カードのナンバーレスカードは券面のデザインがシンプルなので、国際ブランドのロゴが違うとカードの印象はガラリと変わります。三井住友カードの場合はVISAロゴには反射加工があり、Mastercardロゴにはそれがありません。しかしMastercardのロゴもかっこいいため、好みで選ぶのがいいと思います。
三井住友カード ゴールド(NL)https://www.smbc-card.com/nyukai/pop/card_gold-nl_design.jsp
キャンペーン内容が微妙に違う
三井住友カードは何かしらのキャンペーンをほぼ常時開催しており、内容によってはポイントを大量入手できたりキャッシュバックを受けられたりします。このキャンペーンはVISAとMastercardでほとんど共通なのですが、まれにVISAのみで開催しているキャンペーンやMastercardだけで開催しているキャンペーンがあります。体感、VISAのほうが優遇されている気がします。
スマホのタッチ決済の対応・非対応が違う
スマートフォン側の都合ですが、MastercardはAndroidでタッチ決済を設定できません。
三井住友カードではスマホのタッチ決済でポイント還元率がアップする特典がありますが、AndroidではMastercardを設定できず、この特典を活用することができません。ここで言うスマホのタッチ決済とはクレジットカードの非接触決済のことで、電子マネーiDのことではありません。iDにはポイント還元率の特典がありません。AndroidスマホユーザがMastercardを持つ場合、やや還元率が落ちますが物理カードのタッチ決済を使うことで恩恵を受けられます。
なおiPhoneであればVISAとMastercardの両方のタッチ決済に対応していますので、上記のようなVISAとMastercardの差はありません。
ATMキャッシングのブランドが違う
海外旅行などでATMのキャッシングを利用する場合のブランドが異なります。VISAはPLUS(プラス)、MastercardはCirrus(シーラス)というブランドで、クレジットカードと同様にATMが対応しているブランドのカードしか使うことができません。なかなか海外キャッシングを利用することはないですが、どちらも持っておくと安心です。
海外ATM使い方ガイド|VISA https://www.visa.co.jp/travel-with-visa/atm_info.html
当社ブランド「Mastercard、Maestro、Cirrus」の詳細 https://brand.mastercard.com/brandcenter-ja/more-about-our-brands.html
Mastercardを選ぶメリット
ではここからは私が5年間三井住友マスターカードを使用して感じたメリットを解説します。
コストコで使える
2024年時点ではコストコはMastercardのクレジットカードしか使用できません。VISAの加盟店数とMastercardの加盟店数は互角で、使用できるお店の差を感じることはほとんどないのですが、唯一コストコだけはMastercardを持っていて良かったと感じました。コストコでの買い物金額は高額になりがちで、ガソリンスタンドでの給油もお得なので、Mastercardのクレジットカードは非常に役に立ちました。
以上。
コストコ以外において、VISAよりも優位だと感じたものは正直ありませんでした。
うーん、何か他に良かったことってあったかなあ。ないなあ。
ただ、逆にVISAにしておけば良かったと感じたこともほとんどありません。この次にMastercardのデメリットを解説していますが、影響は限定的です。人によってはVISAもMastercardも差を感じないと思います。
三井住友マスターカードのデメリット
三井住友カードのMastercardのデメリットは2点あります。
VISA向けのキャンペーンに参加できない
三井住友カードは常に多くのキャンペーンを開催していますが、時々VISA限定のものがあります。Mastercard限定のものもありますが、VISAのほうがやや優遇されている印象があります。
しかし規模が大きいキャンペーンはVISAもMastercardも両方対応しており、毎月1日に新規キャンペーンをチェックするような熱心な利用者以外は影響はないと思います。
Androidでタッチ決済ができない
三井住友カードはタッチ決済を一部店舗で利用した際の優遇が凄まじいです。セブンイレブン等の対象店舗で7%以上のポイント還元を受けることができます。その条件がスマホのタッチ決済になるのですが、AndroidのウォレットではMastercardのタッチ決済を設定できません。そのため、還元率が5%に下がりますがカード自体のタッチ決済を利用することになります。iPhoneではMastercardのタッチ決済を設定できるためこのデメリットはありません。
異なる国際ブランドのカードは複数あったほうがいい
他社のカードも含めてVISAしか持っていない場合はMastercardも持っていたほうがいいです。コストコのような例もありますが、それ以外にもVISAかMastercardの一方でしか使えないお店やオンライン決済が今後登場する可能性もあります。
また、そもそもクレジットカードは複数枚持っていたほうがいいです。
- 不正利用があった際にカードを止めてしまうと光熱費が払えない
- 海外旅行や海外通販を利用するためのカードを分けておきたい
- 固定費とそれ以外でカードを分けて家計を管理したい
このような目的でカードを複数枚持つことが多いですが、どうせ複数枚持つなら国際ブランドが異なるカードを持っておくほうが賢いです。
ポイントをVポイントに集約したい人は三井住友カード2枚持ちがいい
クレジットカードは多くの会社から発行されており、ほとんどの
場合ポイント還元の仕組みがあります。会社が異なれば貯まるポイントも異なります。集めるポイントの種類が増えると管理の手間も増え、ポイントの期限切れリスクも高まります。
三井住友カードは旧Tポイントを統合したVポイントが貯まるカードです。Vポイントは使い道に困ることは少ないので、管理が面倒な方はVポイントに集約するのはかなりお勧めです。それを踏まえると、メインをVISAで作り、サブをMastercardで作るというのはありです。カード枚数は2枚になりますが、貯まるポイントは共通化できます。
年会費がかかるタイプのカードではVISAとMastercardのデュアル発行で一方の年会費が安くなる場合がありますが、サブのカードは無料の一般カードでも良い気がします。また、三井住友カード内で複数枚のカードを発行した場合、ショッピング利用枠(限度額)は複数枚の合計ではなく、最も大きい枠を持つカードの枠が上限になります。
ポイントが分散しても困らない人は…
すでに他社のクレジットカードをVISAで発行していてMastercardが1枚もない、かつ三井住友カードも持っていない、という方は三井住友カードをMastercardで作ることで三井住友カードのサービスを受けられるようになります。「メインは楽天カードのVISA、コンビニだけ三井住友カードのMastercard」のようなケースはありだと思います。ポイント管理の手間が増えますが、楽天と三井住友カードの2種類の経済圏で多くの特典を受け取ることができます。
このパターンでは、カードのショッピング利用枠はカード会社毎に独立してカウントされます。たくさんのカード会社のカードを持っていれば、枠はその分だけ大きくなります。
まとめ
実際に三井住友カードをMastercardで作ってみましたが、VISAと比較して優位だったことはコストコくらいでした。Androidのタッチ決済を除けば、VISAもMastercardもほぼ同じです。
三井住友カードはVISAとMastercardのどちらを発行するか?
- すでに持っている他のカードの国際ブランドで決める
- スマホのタッチ決済対応状況で決める(AndroidならVISA、iPhoneならどちらでも可)
- コストコの利用頻度で決める(コストコはMastercardのみ使用可)
VISAにするかMastercardにするかは、すでに持っているクレジットカードやライフスタイルに合わせて選びましょう。
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