※本ページに虫の絵や写真は登場しませんのでご安心ください。
アース製薬のゼロノナイトのようなちょっと高価な殺虫剤をドラッグストアでも見かけるようになってきました。これは従来の殺虫剤とは異なる成分を使用している、新しいタイプの殺虫剤です。
今回はそんな新しいタイプの殺虫剤で採用されているブロフラニリドについて解説します。
ブロフラニリドは持続力のある超強力バリアで部屋を守ってくれる!
従来タイプの殺虫剤と新しいタイプの殺虫剤
従来タイプの殺虫剤とはピレスロイド系の殺虫剤、新しいタイプの殺虫剤はブロフラニリド(broflanilide)という成分を使用した殺虫剤です。
ピレスロイドの特徴
従来からある有効成分。天然の防虫菊から抽出された成分や、それに近い化学構造の成分の総称。
- 忌避性あり(害虫が薬剤を嫌がるため、虫よけとしても使われる)
- 即効性があり、直接命中するとノックダウンするが、暴れまわることもある。
- 薬剤抵抗性を持つ一部のGやトコジラミなどには効かない。
- 効果の持続時間は12時間程度
- 人体(哺乳類)への毒性はない。※
ブロフラニリドの特徴
最近の製品に採用されるようになった成分。テネベナール(三井化学アグロの登録商標)の一般名がブロフラニリド。
- 忌避性なし(害虫は薬剤の存在に気づかない)
- 即効性はなく、数時間かけて効果が出る。害虫は暴れずに、眠るように死ぬ。
- ピレスロイド系が効きにくい害虫にも効果がある。
- 効果の持続時間が非常に長く、製品によっては1年間持続するものもある。
- 人体(哺乳類)への毒性はない。※
※毒性はないと書きましたが、人体に直接吹き付けたり高濃度の蒸気を吸い込むのはダメです。製品の注意書きを確認しましょう。
ブロフラニリドはどんな時に使う?
ブロフラニリドの特徴を踏まえて、どんな時に使うのが有効なのかを解説します。
トコジラミやGの対策をしたい
2023年ごろから日本を含む世界中を騒がせているトコジラミですが、トコジラミの中には薬剤耐性を持ったスーパートコジラミというものも存在します。従来の殺虫剤が効かない、恐ろしいトコジラミです。
そんなトコジラミも、ブロフラニリドの殺虫剤を使うと撃退することができます。
トコジラミは部屋が暗くなると活発に動くようになります。室内では夜になると隠れていたトコジラミが出てきて動き回りますが、ブロフラニリドの殺虫剤を噴霧していた部屋ではじわじわと毒が効いていき、やがて動けなくなり死んでしまいます。
忌避性がないということは、殺虫成分の存在は害虫には気づかれません。虫自身に自覚がないまま体が動かなくなってしまいます。トラップとしては非常に優秀です。
効果が長時間持続するというのも非常に良い点です。一度殺虫剤を噴霧しておくと最長で1年の効果があるとされていますが、使用環境や掃除の頻度などによっては短くなっていきます。それでも数週間か数か月は効果があると思います。まだ卵の状態のものがあったとしても、孵化後にも効果が持続していれば安心です。
一般的な虫の対策をしたい
蚊やコバエなどで困っている部屋に対しては、あえてブロフラニリドを使う必要もないかもしれません。しかし、忌避性がなく長時間の効果があるブロフラニリドが撒かれた部屋では、蚊やコバエが侵入してもしばらくすれば動かなくなることでしょう。
現在はブロフラニリドを使う殺虫剤は高価で、また持続時間の長さを謳っていることから高頻度で使うようなものでもないと考えられます。即効性を重視したい!毎日使いたい!といった場合はピレスロイド系の製品を使ったほうがコスパは良いです。
引っ越し先のお守り
引っ越しをする際、引っ越し先にあらかじめ殺虫剤を撒いておくという方は多いと思います。引っ越し前は家具が何も置いていない状態なので、床や壁に対して効率よく殺虫剤を行き渡らせることができます。
引っ越し荷物の中や段ボールに虫が付いてくるようなことがあっても、ブロフラニリドが撒かれた部屋では虫は長く生きることができません。新しい部屋に虫を居つかせないために、ブロフラニリドは非常に効果的です。
虫に直接スプレーするものではない
ブロフラニリドは即効性があるものではないので、虫に直接スプレーして即死を狙えるものではありません。もちろん即死することもあると思いますが、動かなくなるまで数時間かかってしまうこともあるようです。即死を狙いたい場面ではピレスロイド系殺虫剤のほうが適していると考えられます。
ブロフラニリド系の製品はいずれも虫にではなく部屋にスプレーするタイプの殺虫剤です。侵入されたときのために備えておくのが本来の使い方です。
おすすめのブロフラニリド入り殺虫剤
ワンプッシュタイプのブロフラニリド殺虫剤のオススメはゼロノナイトシリーズのG用のものです。
値段を見ると分かりますが、ちょっと高いです。ここぞという時に備えて買っておくと安心です。
また、燻煙タイプもあります。ワンプッシュタイプよりも効き目はあるようですが、準備の手間や焚き始めてからの待ち時間があるため、個人的にはワンプッシュタイプがお勧めです。
まとめ
ブロフラニリドの殺虫剤について解説しました。従来のピレスロイド系にはない特徴を持つ殺虫成分で、薬剤耐性を持ったGやトコジラミに対しても効果があります。効果の持続時間が長いという特徴もあるので、ピレスロイド系殺虫剤とは別にブロフラニリド殺虫剤も1つ持っておくと安心です。
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